患者さんに最適な治療を選びます
当クリニックで行っている下肢静脈瘤の治療は、レーザーや高周波〔ラジオ波〕を使用した血管内焼灼術と医療用接着剤(グルー)を使用した血管内塞栓術があります。患者さん一人一人の病状を、問診やエコーなどで丁寧に診察した後に最適な治療法を選択します。どの治療法を選択するかは、静脈の逆流の程度や静脈瘤のある部位によって判断し、治療にかかる時間は20~30分程度です。全身麻酔や腰からの麻酔ではなく足の局所麻酔で治療を行うため、治療後はすぐに歩行することができます。また治療には静脈麻酔を併用しますので眠っているうちに治療は終わります。ご高齢の方・持病のある方・遠方からお越しの方・日帰り治療に不安がある方は、連携している福岡リハビリテーション病院での入院治療もできます。以前行われていた手術と違い、皮膚を切開せずにカテーテルを使用する治療なので、跡もほとんど目立ちません。
血管内塞栓術(医療用接着剤:グルー)治療
カテーテル(細い管)を静脈瘤の血管内に入れて医療用接着剤を注入し、静脈瘤の原因である静脈の逆流を治療します。比較的軽度の下肢静脈瘤に適した治療法です。両足に静脈瘤がある場合でも同時に治療を行うことが可能ですので、なかなかお休みをとれない方へ特にお勧めです。血管内照射術のように熱を使わないので周辺組織へのダメージが少なく、また少ない麻酔量で治療を行うので神経損傷や内出血が起きにくいです。術後の痛みはほとんどなく、ストッキングによる術後の圧迫療法も必要ありません。ただしアレルギーのある方は治療を受けられない場合があります。
- 比較的軽度の下肢静脈瘤に適しています
- 両足の下肢静脈瘤を同日に治療することも可能です
- 麻酔量が少ないので神経損傷や内出血などのリスクが低い治療法です
- 手術後の痛みはほとんどありません
- 治療跡はほとんど目立ちません
3分49秒 / ファイル容量31.1MB
血管内焼灼術(レーザー・高周波〔ラジオ波〕)治療
カテーテル(細い管)を病気になった血管内に入れて、内側からレーザー・高周波〔ラジオ波〕を照射して、静脈瘤の原因である静脈の逆流を治療します。治療跡は針穴程度でほとんど目立ちません。静脈瘤の程度にかかわらず治療することができます。
- 中程度から進行した下肢静脈瘤でも治療可能です。
- 治療跡はほとんど目立ちません。
- 下肢静脈瘤の範囲にかかわらず治療できます。
下肢静脈瘤治療の概算費用
片足の場合 | 負担割合(3割) | 70~74歳 | 75歳以上 |
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血管内焼灼術 (レーザー・ラジオ波) |
38,000円前後 | 負担割合(2割) 上限18,000円/月限度額適用認定証 上限8,000円/月 |
負担割合(1割・2割) 上限18,000円/月限度額適用認定証 上限8,000円/月 |
血管内塞栓術(グルー) | 50,000円前後 | ||
硬化療法 | 10,000円前後 | 6,500円前後 | 3,500円前後 |
切らずに治せる下肢静脈瘤の治療
10年前までは下肢静脈瘤の治療は手術療法が主体でした。全身麻酔や腰からの麻酔で1時間以上かけて、最低2ヵ所皮膚を切開していました。ここ最近は、ほとんどの下肢静脈瘤を血管内治療で切らずに治療することができるようになりました。