足のむくみ、だるさの原因かも
下肢静脈瘤とは、足の血管の弁が壊れ血液が逆流して足に溜まる病気で、成人女性に多く見られます。初期症状は足のだるさ・むくみ・つりなどで、進行すると足の静脈がこぶのように膨らんで目立つようになります。悪い病気で命に関わるようなことはほぼありませんが、悪化すると皮膚の色素沈着や潰瘍が生じることがあり、静脈に血栓を作ったりその血栓が血流により肺に飛び肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)を引き起こすこともあります。圧迫療法を適切に行うことで進行を遅らせたり予防することはできますが、自然に治癒することはないので悪化する前に早めの治療を行うことをお勧めします。
下肢静脈瘤になりやすい方は
- 中高年の女性
- 出産経験の多い方
- 立ち仕事の方
- 家族に下肢静脈瘤の患者さんがいる方(遺伝因子)
- 便秘傾向の方
- 呼吸器疾患をお持ちの方
脚にこんな症状はありませんか?
□むくみが気になる、靴下のかたがつく
□重だるいと感じる
□よくつる(こむら返り)
□ほてりを感じる
□重だるさやむくみは朝より夕方の方が目立つ
□血管が網状にみえる
□血管がボコボコとこぶのように浮き出ている
□皮膚が茶褐色または黒ずんでいる
□湿疹がありかゆい
□湿疹を掻いて出血してしまった
□静脈に沿って痛みがある
原因は静脈血液の逆流
静脈には心臓に血液を戻す時に逆流しないよう弁が付いており、常に血液を一定の方向に流しています。この弁の機能が様々な原因で低下すると、足の静脈内の血液が心臓に戻りきらず、逆流して足に血液が溜まります。その結果足のむくみやだるさなどの症状を実感するようになり、進行すると静脈の壁が伸びたり曲がったりして、足にこぶ状の膨れが出現してきます。これが下肢静脈瘤です。
症状の一例
このように見た目でわかる症状の患者さんが多いですが、見た目にはほとんどわからないのに病状が進行している場合もありますので、気になる症状があれはぜひご相談ください。
網状型
細い静脈が拡張し血管が網目状に皮膚の上からはっきりと見えます。
側枝型
さらに静脈が拡張し、スジのように見えます。
伏在静脈型
静脈が浮き出て太くなり、こぶ状にぼこぼことみえている状態です。かなり目立つため、スカートを履けないなどの悩みを持つ患者さんが多くおられます。
皮膚の色素沈着
足の静脈に血液がたまって慢性化すると、皮膚や皮下組織に炎症がおこり細胞にメラニン色素が沈着し、皮膚の色調が変化してきます。かゆみが出て皮膚をかくと、潰瘍ができたり出血することもあります。このような状態になってから治療を行ってもなかなか治りにくいので早めの治療をお勧めします。